患者に好印象を与える振る舞い

看護師は、その態度や姿勢によって患者に好印象を与えることができる。病院を訪れる患者は、傷病の不安に駆られて周囲を観察する余裕がないとはいえ、医師だけでなく看護師の様子もよく見ているものだ。

まず、外来の待合室で患者の名前を呼ぶ際に、診察室から出てきて名簿を機械的に読み上げるのではなく、待合室を見渡して患者の様子を見ながら呼名し、目が合ったら笑顔を浮かべるようなゆとりある対応ができる看護師は、患者に好印象を与える。診察室においても、医師と会話しているときに患者が医師を注視していても、医師と患者の顔を代わる代わる見てうなずいたり首を傾げたりして会話を傍でサポートしている看護師も、好印象を残すだろう。

患者は医師との会話に集中しているように見えても、傍で待機している看護師の態度や姿勢にちゃんと気付いているものだ。傷病を抱えた患者は心細い思いをしているため、看護師の笑顔に救われることが少なくない。
どんなにてきぱきと仕事をこなせる優秀な看護師であっても、常に無表情で患者に必要最低限度の目しか向けない看護師は、好印象を与えることはできないだろう。

看護師による注射や血圧測定などの処置の場面でも、きめ細やかな声かけができる看護師に対して、患者は良い印象を持つ。診療に最低限度必要な質問だけでなく、相手をリラックスさせるような声かけができる看護師は、患者の緊張感を解すことができる。
そのため看護師は、患者が楽な気持ちで処置を受けられるよう常に気を配っておく必要がある。